山は平地より涼しいから、熱中症にならないと思っていませんか?

 

熱中症は真夏に起こるイメージが強いかもしれませんが、山で熱中症が増えるのは6〜7月の梅雨時期です。

 

山登り

 

 

ここでは、山で起こりやすい熱中症の原因や症状、安全に山登りを楽しむための熱中症対策についてまとめました。

 

熱中症の発生件数2位は登山!原因や症状は?

スポーツにおける熱中症の発生件数1位は野球ですが、次いで2位は「山登り」です。

 

もっとハードなスポーツはたくさんあるので、山登りが2位なのは意外な感じがしますね。

 

消防庁が公開しているデータによれば、平成28年の5〜9月に熱中症で運ばれた人の人数は50,412人、そのうち59人が亡くなっていますから「たかが熱中症」とあなどってはいけません。

 

手遅れにならない為に、どんな時に熱中症になりやすいのか、熱中症になったらどうすればいいのかについて知っておきましょう。

 

熱中症になるときのサインを見逃さないこと

「熱中症」というのは、病気の名前ではありません。

 

体の中に熱がこもったときに起こる、トラブルの総称です。

 

熱中症になりやすい環境には、共通点があります。

 

気温や湿度が高い

 

直射日光があたること

 

この状況下で運動して汗をかくと体が脱水状態になって、体温を調節できなくなってしまうことがあるのです。 

 

熱中症になるまでには、いくつかの段階があります。

 

第一段階の変化 体温の上昇

 

人間の平熱は36.89℃と言われていて、これよりも低くなりすぎたり、高くなりすぎないように常に調節しています。

 

山登りは、直射日光を長時間浴びながら歩き続けるため、体温が上がりやすいです。

 

体温が上がると、脳は平熱を保つために汗を出して体温を調整し始めます。

 

でも、汗をかいて体内の水分が不足すると、血液循環が悪くなって脳に酸素がいきわたらなくなります。

 

そこで、体を危険な状態から守るために、脳はある段階で「汗を出してはいけない!」と指令を出します。

 

ここで第二段階の変化が見られる

 

先ほどまで出ていた汗が、ピタリと止まってしまうのです。

 

でも、、汗をかけなくなると体温はぐんぐん上がっていきます。

 

このような状態が続くと、最悪の場合は脳にトラブルが起こったり、死に至ることもあります。

 

重度の熱中症を避けるためには、第二段階の変化が出るまでに、体のSOSに気が付いて対策してあげることが大切です。

 

熱中症の症状と応急処置

熱中症で見られる症状は、以下のようなものです。

 

<軽度>

  • 体温上昇によるめまいや立ちくらみ
  • 軽度の脱水症状によって脚がつりやすくなる
  • 汗が止まらない
  • 頭が痛い
  • 吐き気がある
  • 全身がだるく前に進む気力がなくなる
  • 意識がはっきりしなくなる
  • けいれんが起こる
  • 汗が止まり体温が急激に上がる

<重度>

 

※下に行くほど重い症状です。

 

これらの症状が見られたら、歩くのをやめましょう。

 

「キリのいいところまで歩いてしまおう」というのは危険ですから、ひとまず風通しの良い日陰を見つけて休むようにします。

 

「風通しの良い日陰」を選ぶのは、体温の上昇を避けるためです。

休憩

 

体温が上がらなければ、余分な汗をかかなくて済むため症状が悪化しません。

 

同行者がいるようなら、うちわで仰いでもらっても良いかもしれませんね。

 

リュックサックやキツいアンダーウェアなどはできる限りゆるめてください。

 

体をギュッと締め付けていると、血液循環が悪くなって症状が悪化しやすくなります。

 

次に、水分補給です。

 

のどが渇いていなくても、飲むようにしてください。

 

なお、軽い脱水状態で水を飲むと水分がうまく体に吸収されないので、スポーツドリンクなどミネラルが適度に含まれたものを飲むようにします。

 

ガブガブと一気飲みすると嘔吐の原因になるので、ゆっくりと少量ずつ、噛むようにして飲んでください。

 

熱中症は、

 

体温が上昇する

汗で体温が下がる

体温が急上昇する(汗が止まる)

 

3ステップで症状が進行します。

 

体温が上昇して汗をかきだした時に休憩して水分をとれば、重度の熱中症は防げます。

 

慣れない山登りでは歩くことに必死になりがちですが、体温の変化にも注意を払うようにしましょう。

 

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今すぐできる4つの熱中症対策

熱中症になった時の対応を知っておくのはもちろん大切なことですが、一番良いのは熱中症にならないことですよね。

 

ほんの少しの心がけで、熱中症は防げます。

 

今すぐできる4つの方法をまとめたので、確認しておきましょう。

 

1.暑さに慣れておく

熱中症になりやすいのは、子供やお年寄りだという話を聞いたことがありませんか?

 

これは、子供やお年寄りは体温調節の機能が十分でないからです。

 

でも、夏場でもエアコンの効いた室内ですごすことの多い現代人は、暑さに慣れていない人がほとんど。

 

子供やお年寄りに限らず、若い人でも熱中症になってしまう可能性が高いです。

 

しかも、暑さに慣れていないと、ちょっと気温が高くなるだけで大量の汗をかいてしまうため、体が脱水状態になって熱中症が重症化しやすくなります。

 

そこでおすすめしたいのが「暑熱馴化(しょねつじゅんか)トレーニング」と呼ばれるものです。

 

意識的に暑い環境に身を置くことで、体を暑さに慣らす効果があります。

 

夏場にしばらくエアコンを切ったり、半身浴やサウナで汗をかくのがおすすめです。

 

普段から汗をかかない人が急にトレーニングするのは危険なので、無理のない範囲で徐々に体を慣らしてきましょう。

 

登山に行く1〜2週間前から行うのが効果的です。

 

2.水分と塩分をこまめに摂取する

汗をかくと、体の水分と一緒にミネラルも流れてしまいます。

 

「喉が渇いた」と感じた時にはすでに体内の水分が足りなくなっていることが多いので、喉が渇く前にこまめに飲むようにしてください。

 

一気に飲んでも尿になって流れてしまいますから、1回当たりコップ1杯程度を目安に飲むようにします。

 

熱中症対策の水分補給は、汗で流れたミネラルを補える「スポーツドリンク」がおすすめです。

 

ただ、スポーツドリンクは糖分が多いため喉が渇きやすく、苦手だという人もいるかもしれません。女性だとカロリーも気になりますよね。

 

そのような場合は水で水分補給をし、塩飴や梅干しなど塩分の濃いものを一緒に食べてミネラルを補うようにしてください。

 

4.体温調節をこまめに心がける

山登りでは、常に体温が変化しています。

 

山は地上と比べて気温の変化が大きいですし、歩いているときと休憩しているときでは体温も変わります。

 

山の基本は重ね着です。

 

体の状態や気温に合わせて、こまめに脱ぎ着して体温調節するようにしましょう。

 

また、直射日光に長時間当たり続けるのも熱中症の原因になりますから、山登りでは帽子をかぶるようにしてください。

 

帽子

 

つばが広いものなら、顔周りに日影ができて涼しいです。

 

なお、ウインドシェル(風よけのための薄手の上着)やレインウエアについているフードは、熱中症対策には不向きです。

 

洋服と一体型のフードの場合は首から熱が逃げず、熱がこもって体温調節がしにくくなってしまいます。

 

暑い時期は登山ウェアの素材選びも重要になってくるので、素材ごとの特性や、ウェアの選び方についても確認しておきましょう。

《参考ページ》
夏場の山登りに適した服装とは

夏場の山登りに適した服装とは

 

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