私たちが普段生活している地上と山では、空気の薄さが違います。

 

高い山に登れば上るほど空気は薄くなって、呼吸がしにくいと感じるようになるのですが、この状態がひどくなると、頭痛や吐き気、めまいなどが起こります。

 

高い山

 

 

 

実は、白山や剱岳、赤牛岳といった2500m級の山では、2割以上の人にこういった症状が見られると言われています。

 

ここでは高い山で起こりやすい「高山病」の症状や対策、予防方法についてまとめました。

 

「初心者だから1000m級の山しか登らないし」という人も、万が一の事態に備えて知っておきましょう。

 

高山病ってどんなもの?どんな症状が出るの?

「高山病」という名前を聞いたことがあっても、実際にどのような症状が出るのか知らない方は多いのではないでしょうか。

 

登山中に注意したい症状例や、高山病になってしまったときの方法をご紹介します。

 

高山病の原因と症状

高山病と言うのは、体内の酸素が減って、脳細胞にうまく酸素がいきわたらなくなる状態をいいます。

 

特定の病気をさすのではなくて、酸素不足によるトラブルの総称です。

 

山の高度が高ければ高いほど酸素は薄くなり、高山病になるリスクは高くなります。

 

そのため、高山病は高度障害と呼ばれることもあります。

 

高山病の主な症状は、以下の7つです。

  1. 頭痛
  2. 動悸が激しくなる
  3. 吐き気、嘔吐
  4. 食欲がなくなる
  5. 倦怠感が強くなる
  6. めまい
  7. 体がむくむ

 

体内の酸素不足で一番ダメージを受けるのは脳なので、ほとんどのケースで「頭痛」が現れます。

 

この時に起こる頭痛の特徴は、ズキンズキンと脈打つこと。

 

体を動かすと、そのたびに痛みが強くなります。

 

同時に動悸が激しくなることも多いです。

 

急にお腹を下したり、食欲がなくなったり、タバコを吸いたくなくなるという人もいます。

 

その他、急にリュックサックが重たく感じて足が前に出なくなったり、足がパンパンにむくむことも。

 

ただ、先ほど挙げた7つの症状は、あくまで一例です。

 

どのような症状がどのような程度で現れるかどうかは、かなり個人差が大きいところ。

 

高山病は、体調やコンディション(前日よく眠れたかとか、疲れがたまっていないかなど)に大きく左右されます。

 

1回高山病を経験した山だからといって、次に登った時も高山病になるとは限りません。

 

反対に、今まで1回も高山病になったことがない山だからといって、この先もずっとならないわけではありません。

 

なお、高山病は、一度かかったら治らないような病気ではないので安心してください。

 

登山中に高山病の症状が出ても、ひどくなる前に対策をとれば症状はよくなりますし、一度高山病になったからといって登山が出来なくなるわけでもありません。

 

高山病になったらどうする?

高山病の症状を感じた時、「ひどくなる前に登り切ってしまおう」というのは逆効果。

 

少しでも体に変化を感じたら、登るのをやめて体を休ませることが大切です。

 

水分補給をして、日光や風が直接当たらない場所を探し、しばらく座って様子を見ましょう。

 

ただし、この時に横になって休んだり、目をつむってひと眠りするのは避けてください。

 

横になったり眠ったりすると呼吸が浅くなって、ますます酸素が少なくなってしまうからです。

 

「酸素ボンベ」を用意している山小屋もあるので事前に確認しておくと安心です。

 

 

高山病にならないための3つの対策

一度でも高山病を経験すると、山に登るのが怖くなってしまうかもしれません。

 

でも、高山病が原因で山登りの楽しみを諦めてしまうなんてもったいないと思いませんか?

 

高山病は予防できます。

 

効果的な予防法を3つ紹介するので、試してみてください。

 

1.ゆったりとしたペースで山を登る

高山病に注意が必要とされているのは、2000m級の山々(高齢者の方は1500m)です。

 

例えば、「富士山で高山病になって、登り切れなかった」という話を聞いたことがありませんか?

 

富士山は5合目のあたりで標高2000mを超えています。

 

富士山

 

5合目に着くまでにあまりにもハイペースで登ってしまうと、体が高度に慣れずに酸素不足になりやすくなってしまうのです。

 

一気に高度が上がると、体がついていけずに高山病になりやすくなります。

 

富士山に限らず、高い山に登る時は「ゆったりとしたペース」で登ることが大切です。

 

また、1500m〜2000mあたりで休憩をとったり、あたりをウロウロと歩いたりして、高度に体を慣らすのも効果的です。

 

2.水分補給をこまめに行う

慣れないうちは山を登ることに夢中になって水分補給を忘れてしまいがちですが、体内の水分不足は高山病の原因の1つです。

 

水分が足りないせいで、血液循環が悪くなり、体に十分な酸素が遅れなくなります。

 

「水分は、のどが渇いたときに摂ればいい」という人もいるのですが、のどの渇きを感じてからでは遅すぎます。

 

1時間に1回などとタイミングを決め、意識的に水分を摂取するようにしてください。

 

あくまで目安ですが、体重50sの人の場合、1時間に飲む水の量は250ml(コップ1杯より少し多いくらい)です。

水コップ

 

一度に大量に飲んでも尿となって出てしまうだけなので、コップ1回の量をこまめに摂取するようにしましょう。

 

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3.登山前に体力をつけておく

普段から歩く機会がほとんどないという人や運動不足を実感している人は、筋力が衰えて血液の循環が悪くなっているかもしれません。

 

血液循環が悪くなると、酸素のめぐりがスムーズにいかなくなります。

 

日常生活では全く問題ないレベルであっても、高い山では「酸素のめぐりが悪い」ことは致命的です。

 

高山病を予防するためにも、登山前にはある程度の体力をつけておくようにしましょう。

 

下半身の筋力を強化する簡単なトレーニングのほか、ウォーキングなどの有酸素運動がおすすめです。

 

毎日の生活で基礎体力をアップするコツについては、こちらでもご紹介しています。

 

 

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